秋を感じる様になりました

更新がご無沙汰になってしまいました。
春の衣替え時期に母が脳梗塞で入院しました。
忙しい時期と重なり、あっという間に秋になってしまいました。
お陰様で、母は何とか日々の生活を送るようにまで回復して
ほっと一息ついております。
油断大敵ですが、今年77歳ですので、これを機に仕事から離れ
夫婦で老後生活を楽しんでもらいたいと思っています。

久しぶりの更新と言うことで、私について書いてみようと思います。

目に見える様になった愛

私はクリーニングの仕事が大好きです。
何故、好きなのか?
言葉で上手く説明することが出来ません。

今まで色々な仕事をしてきました。
内職
生命保険のセールスレディ
化粧品代行店店長
給食弁当の配達
水商売
シティホテル業
等々

どの職種でも自分が出来ることは一生懸命にしていましたが
口から出る言葉は
疲れた
休みたい
他に良い仕事は無いか
給料が安い(割に合わない)
人間関係が嫌だ
書き出したらきりがない程、愚痴ばかりでした。
時には楽しく仕事をしていたのですが、少し疲れると休む理由を
探していました。
まるで、子供が学校に行きたくない朝、お腹が痛いだの頭が痛いだの言うように…

私の気持ちとは裏腹に、どの職種でも頼りにされてしまい、わがままで休むわけには
いかなくなってしまいます。
性格上、いつまでも下っ端でいることが出来ず、出来ることはドンドンやってしまいます。
自分の仕事でもない事でも、困っている人が居たら手伝ってしまう。
時間給のパートさんに無駄に居てもらってもしょうがないので、経営者でもない私が
しゃしゃり出て仕事、時間の調節をしてしまう。(経営者や管理職の人には喜ばれましたが…)
そして、人見知りしない私は上下関係なく言いたいことを遠慮なく言ってしまい
やれるなら、やってみろ!!となってしまいます。
そう言われると、やってやる!!!と、しんどい仕事になってしまうわけです。
自分で自分の首を絞めるタイプでした。

今思えば、学歴のない私は、いかに会社の役に立ち、居なくては困る存在になることで
居場所を確保していたんだと思います。
私がやればやるほど、周りの方々はやりにくくなっていたと、知ろうともせず
各々の個性で向き不向きがある事なんて、お構いなしに突っ走っていました。

自分さえ良ければ良い
自分さえ給料が上がれば良い
自分さえ認められれば良い
人を蹴落として自分だけ這い上がれたら良い
そう思っていたと思います。

現在のクリーニング業は、約10年前に家業を継いでいた弟が突然亡くなり
両親の事を気遣い、勢いで4代目を引き受けました。

何もかもが初体験でしたが
出しゃばりな性格
やると決めたら絶対にやる(馬鹿にされたくない)性格
今までいた人より上手になって上に立ちたい性格
人を信用せず自分を信じる性格
これらの性格が一致団結して一通りの仕事が出来る様になるまで
さほど時間はかかりませんでした。

とは言え、基本的な一通りの仕事が出来る様になるまで沢山の方々に教えてもらい
支えて頂きました。
特に日本クリーニングケア協会の山崎会長ご夫婦には染み抜き教室と言う勉強会で
沢山の学びを頂きました。
技術的な事は勿論ですが
【嘘をつくことは出来る限り無くさないといけない】
と言われました。
その時は、嘘なんて付いていないけどなぁ~と思いましたが
この日を境に、自分に意識して自分の嘘探しが始まりました。
まぁ出てくる出てくる!
小さな嘘から大きな嘘、嫌な自分を嘘で消し去ろうともしていました。
いまだに、気を許すと嘘をついてしまいます。
ですが今は、気付いた時、出来るだけ何で嘘をつこうとしたのか?
自問自答するようにしています。
とにかく、この勉強会に参加させて頂いて私は劇的に成長したと感じています。

一通りの仕事が出来るようになるのに、さほど時間はかからなかったと
偉そうに書きましたが、その当時の一通りとは、今思えば一日の仕事の流れが
解ってきただけで、私にクリーニング業が出来るのか?という不安から
出来るかもわからない位の感覚に変化し
改めて、勢いで家業を継いだ時の思いから、私のクリーニングをしていこう!!
と思った瞬間だったと思います。

経営理念を『着る身になってクリーニング』から『想いの伝わるクリーニング』
に変更したのもこの頃でした。
何故、変更したのか?

その頃、山崎会長から、カリールジブランの詩を教えて頂きました。
その詩の中に『労働、それは目に見える様になった愛』という部分があります。
詩の全文好きなのですが、この部分が特に好きで、そういう仕事がしたいと思い
経営理念を変えたのかもしれません。

何年か経った今、気付くと笑顔で仕事をしている自分が居ます。
単に仕事がうまく行くから楽しいのではなく、仕事をしている時
幸せな気持ちになります。

今までの愚痴ばかりの自分が嘘のように別人になったようなのです。
周りを見渡す余裕が出来、一緒に働く仲間、家族を大事に思い
それぞれの個性を尊重し、何より自分の事が大好きになりました。

自分の中の沢山の愛を探す旅に出よう・・・